
こんにちは、マダムソムリエです。
夏の旬の果物、メロンの季節がやってきました!
フランスでは、6月半ばを過ぎになるとスーパーやマルシェでメロンが出回り始め、8月になるとメロンは最盛期になります。甘くて水分たっぷりのメロンは、疲れたときや夏の食欲のないときの救世主!
フランスのメロンは4種類、そのうちパリでは果肉がオレンジ色の赤肉メロンを売っています。
メロンが大好きな夫は、マルシェでお店の人に「今夜食べたいけどどれがいい?」と選んでもらってうれしそうでした。ついでにおススメの食べ方も聞いたので早速試してみたら、大正解!
赤肉メロンとはどんな品種なのか、また美味しい食べ方などをご紹介しますね。パリを旅行中のみなさん、強い日差しのもと石畳を歩きつかれたらこのメロンで英気を養いましょう。すぐに元気になりますよ♪
赤肉メロンの品種はシャランテ
パリで出回っている品種は、シャランテ(charentais)です。どんな品種なのかちょっと調べてみました。
シャランテの歴史
ウリ科の植物で、古代エジプトの時代に野菜として栽培されていました。当時は胡椒とビネガーで味付けをしてサラダとしてこのメロンを食べていたそうです。
フランスに入ってきたのは、15世紀末、シャルル8世がイタリアから持ち帰ったのがきっかけです。メロンの甘い香りと味わいに王侯貴族やときには教皇たちからも愛され珍重されました。
ルネサンス時代になると、名前の由来であるシャランテ地方で幅広く栽培されるようになり、しだいに一般の人たちの食卓にものぼるようになりました。
現在では、南フランスで多く作られています。
シャランテの特徴
夕張メロンのように、果肉は赤肉のオレンジ色です。形は球状で、大きさはマスクメロンより一回り小さいくらいになります。表面の網目がくっきりしているものと、網目のない2種類がありますが、味わいに変わりはありません。
さてメロンを半分に切ると、切り口からメロン特有の甘い香り、果肉はオレンジ色、食べると水分たっぷりでメロンの甘みが口いっぱいに広がります。種がぎっしり詰まっていますね。
そういえば、日本のプリンスメロンは、マクワウリの一種ニューメロンとシャランテメロンを交配させたものだそうです。プリンスメロンの果肉の中央が薄いオレンジ色なのはそのせいなのですね。今回初めて知りました。

シャランテの選び方と食べ方
赤肉メロンのシャランテを選ぶときの目安は次のようになります。
- 手に持って重く
- 押すとやわらかいもの
- おしりの方の香りが甘いもの
一方、地元の人たちが果物を買うときの選び方はこんな風です。
- まず匂いをかいで
- 熟れているかどうか
- 甘い香りのするもの
私たちは、香りより色つや形のよいものを選びがちですから、これは参考にしたいと思いました。
スーパーやマルシェで彼らの買い物姿をこんな風に観察するのも、実は買い物の楽しみの一つなんです。
値段はマルシェだと1個2.50ユーロくらいで売っていますが、夏の最盛期には1個1.50ユーロくらいになります。つまり旬の時期では、赤肉メロンが1個約190円で食べられるのです。これなら毎日食べちゃいます^^
シャランテ品種ほかにメロンの品種は3つ
フランスでは、シャランテ品種のほかに3種類のメロンが栽培されています。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
◎ガリア(Galia): 円形で表面に網目がある。果肉は薄緑色で甘く、香り高い。

◎カナリ(Canari):大きな楕円形。表面は黄色で網目がない。果肉は薄緑色で甘く水分が多い。

◎ヴェール・オリーブ・ディヴェー(Vert olive d’hiver):大きな楕円形。表面に緑色で網目がない。果肉は薄緑色で甘くサクサクした歯ざわり。

フランスでは、赤肉メロンのほかにも個性的なメロンが栽培されていますが、一番人気はやはり赤肉メロンのシャランテのようです。
赤肉メロンのおススメの食べ方
フランスでは家庭でも「前菜、メイン、チーズ、デザート」の順番に食事をするのが習慣です。前菜に生ハムのせたメロンが夏の定番メニュー。
メロンを切って生ハムを盛り付けるだけなので、簡単ですよね。甘いメロンと塩気のある生ハムですから文句なしの美味しさ!

でもご紹介するのは、美味しい大人のデザート。メロンと天然甘口ワインの組み合わせで、マルシェのお店に人によるとフランス人の大好物だそうです。
作り方は簡単ですが、大事なことは メロンも天然甘口ワインも冷やすこと。さて手順を説明しましょうね。
用意するもの(2人分)
- 冷えたメロン 1個
- 冷えた天然甘口ワイン
作り方
- メロンの上下を切って平らにしてお皿にのりやすいようにします。
- 半分に切ったら、種と中身をくり抜きます。底を傷つけないように気をつけて。
- メロンの半分くらいまで天然甘口ワインを注ぎいれます。量はお好みで。
- できあがり!メロンの甘い香りとブドウのさわやかな香りがします。
夫がスーパーで見つけてきた天然甘口ワインは、ギリシャのサモス島で造られたOLYMPIO Muscat de Samos 。ブドウのさわやかな香りとすっきりした辛口が特徴です。
天然甘口ワインというと、甘ったるい味じゃないのと私は思っていましたが、まったくの思い込みでした!メロンのほかにも甘みのはっきりした果物やバニラアイスクリームと相性がよく、いろいろ楽しめます。
もちろんアペリティフとしてそのままでも美味しいですが、アルコール度数が15.5度とワインより高めなので飲みすぎに注意しましょう。
まとめ
夏が旬のフランスの果物、メロンをご紹介しました。パリではシャランテという赤肉のメロンがスーパーやマルシェでよく見ます。水分たっぷりでメロンらしい香りと口いっぱいに広がる甘さが特徴です。
買うときは、手に持って重いものでおしりの方が香りの甘いものを選びましょう。
メロンに生ハムを添える一皿が前菜の定番ですが、天然甘口ワインと一緒なら美味しい大人のデザートにもなります。
日本で天然甘口ワインを探すならフランス産の「ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ」がおススメ。私たちも東京に住んでいたころは、夏になると友人たちとこのワインで盛り上がりました。
プリンスメロンに生ハムをのせたり、このワインと一緒にデザートにしたりとぜひぜひお試しくださいね。