
こんにちは、マダムソムリエです。
先日、夫の知人がオーナーシェフをするレストラン「ル・ソリレス(Le Sot l’y Laisse)」でランチをいただきました。
レストランはパリ11区の偉人が多く眠るペール・ラシェーズ墓地の近くにあります。パリ市中心部から離れているのでのんびりした雰囲気です。土井原シェフが作る料理は、地元のフランス人たちが毎日のように通うほど美味しい伝統的なフランス料理で人気があります。
評判以上に美味しかったので、パリに観光にいらしたら絶対に足を伸ばしていただきたいお店です。もちろんパリ在住の皆さんもですよ。
ル・ソリレスのランチ
まずは私たちがいただいたランチについて紹介いたします。
お値打ち価格のランチ
ランチと参考までにディナーのお値段を書いておきますね。(2017年6月現在)
ランチ
- 2皿(前菜+主菜/主菜+デザート)19ユーロ
- 3皿(前菜+主菜+デザート)25ユーロ
それぞれ2品ずつ選択肢があります。 - アラカルトもあります。
パリ中心部でランチをすると、2皿で23-25ユーロくらいになるので、この値段はうれしい!
シェフによると、「今日の料理は量が少なかったよ」とお客さんに言われるので、量も大事だそう(笑
夫はアラカルトで前菜とメインで46ユーロ、私は3皿のランチセット25ユーロを選びました。
料理の質と量を考えれば、これはかなりお値打ち!と食べ終わってからの私たちの感想。
では、私たちがいただいたお料理をご覧くださいね。どれも美味しいかった。
ランチでフランスの旬の食材を味わう
まずは前菜。私が選んだものは、夏の定番スープ、ヴィシソワーズ。冷たいスープにコンソメジェルとシブレットがのっています。あっさりした味なのにコクとほんのりじゃかいもの甘みがあって、おかわりしたいほど美味しい。お皿の色合いもかわいらしいですね。
夫が選んだ前菜は、ソリレス(鶏肉の部位)のフリカッセ。泡のソースの下に焼いたポロ葱が香ばしそう。ものもいわずに彼のフォークが進みます。
日替わりランチのメインは、ソテーした鶏肉にカレーソースとグリーンピースご飯添え。鶏肉は、火の入りがちょうどよく歯ごたえもあり美味しい。
カレーソースといっても辛くないクリーミーな味ですが、カレーの風味が淡白な味の鶏肉ととても合います。添えたご飯は、旬のグリンピースの甘みが染みてこれまた満足の一品でした。
夫のメイン料理は、フランス料理の伝統的な魚料理、舌平目のムニエルです。舌平目は春から夏までが旬の食材。
たっぷりのバターソースとアーモンドの薄切りがかかっています。パリのレストランでは、伝統的な料理よりも創作的な料理のほうが人気なので、舌平目を1枚まるごとムニエルしたメニューを出すのは珍しい、と夫。炒ったアーモンドが香ばしくて食感のよいアクセントになっていました。もっと味見したかった。
日本人の作るフランス伝統料理が、地元の人たちに愛されているのはすばらしいことだと思います。
私のデザートはこのお店の十八番、クリームブリュレです。カスタードクリームの表面をガチガチに焦がしているので、スプーンで叩くとバリッと音がします。
この表面のバリバリした部分と中身のとろとろしたクリームが口の中で楽しい美味しい食感になります。甘さはとても上品。
このデザートが大好きな夫は味見のつもりが完食してしまったので、私はコーヒーをいただきました。酸味のある予想外に美味しいコーヒーでした。
ル・ソレリスのワイン
食事といただいたのは、ブルゴーニュ地方の白ワイン Domaine MICHEL 2015年です。
すっきりした辛口。酸味と果実の甘みのバランスがよく、長い後口が楽しめるとてもおいしい1本でした。
レストラン「ル・ソリレス」の由来は面白い
ところで、レストランの名前である「ル・ソリレス」(Le Solit l’y Laisse)の由来がユニークです。
日本語に直訳すると「愚か者はそれを残す」という意味になりますが、またソリレスとは、鶏の股関節あたりの肉で、しかも1羽にたった2個しか取れない希少部位のこと。
「お馬鹿さんは、その美味しい部分を食べずに残してしまう」と意味も含めてこの部位をソリレスと呼ばれるようになったそうです。
土井原シェフは、「料理を残さず食べてほしい」という思いをこめて、レストランの名前にしたとか。
ちなみに、ル・ソリレスとはどんなものなのか探してみました。希少部位を薄切りにしても1羽でこの枚数は少ないなあ。

手ごろな価格のワインが充実
このレストランでは、ワインを選ぶときにワインリストからではなく、並んでいるボトルを見て選ぶというシェフのこだわりのスタイルです。しかもボトルには直接値段が書いてあるので、わかりやすい!
さらにグラスワインはティスティングをして選ぶことができます。私たちの隣のテーブル4人は、「へえー、ティスティングでグラスワイン選べるの?」とうれしそうにいくつか試飲していました。
こんなすてきなサービスをしているレストランは、パリ広しといえどもほかに何軒あるのかしら。
棚にもズラリとワインが並んでいます。シェフが自分で買い付けるそうなので、ワインの値段はかなりお得。夫もびっくりしていました。
食事もワインも美味しくて安くて、サービスにもこだわりがあり、地元の人たちでいつも満席な理由がよくわかりました。
まとめ
もう数年前から、「パリのおいしい店には、必ず日本人シェフがいる」と言われていますが、まさにそのとおりのレストラン。
メニューはフランス語ですが、日本語に翻訳されたメニューも用意されているので安心です。
サービスはシェフのマダム、あきこさんと若いスタッフが担当しています。マダムは明るく気さくな人柄で、おかげでお店の雰囲気がとてもいい。
料理に合わせるワインは何がいい?と相談したり、グラスワインのティスティングも気軽にお願いできますよ。
パリにいらしたら、是非足を運んでいただきたレストランです。
ル・ソリレス(Le Sot l’y Laisse)
70 Rue Alexandre Dumas
75011 Paris
Tel : 01 40 09 79 20(要予約)
メトロ : 2番線アレクサンドル・デュマ(Alexandre Dumas)徒歩10分足らず
営業時間 : 月-土12:00-14:00, 19:30-21:30(月&土曜日は夜のみ)
お休み:日曜日