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こんにちは、マダムソムリエです。

印象派の巨匠、クロード・モネの睡蓮の連作をオランジュリー美術館で見てからモネの作品に魅せられてしまいました。後日、マルモッタン・モネ美術館で彼の晩年の作品を鑑賞、先日オルセー美術館で若い頃からの作品を見て、改めて印象派の巨匠と呼ばれる理由がわかりました。

考えてみれば、一人の画家の作品を3つの美術館で年代を追って鑑賞でき、しかもそれがすべてパリにあるというのは珍しいですよね。たとえば、たくさんの作品を残したピカソでさえ、パリ、バルセロナとマラガのそれぞれの美術館に作品が分かれて展示されています。

そこで、それぞれの美術館で展示されているモネの作品をまとめてみたいと思いました。また美術館の回り方について、私の経験からお話ししますね。

この中の2つの美術館については、その詳細を別途記事にしていますので、こちらもご覧ください。

オルセー美術館でモネの作品!「光の画家」への歩みがわかります

オランジュリー美術館、モネの「睡蓮」で壁一面に広がる幻想的な世界

マルモッタン・モネ美術館はモネの展示数が最大級!印象派の原点とは

それでは、まずはオルセー美術館からスタートです。

 

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オルセー美術館で見るモネの作品

オルセー美術館は、1848から1914年のフランス美術を中心に印象派の作品を多く所蔵しています。その理由は、印象派の画家でパトロンでもあったカイユボットが、自分のコレクションをフランス政府に寄贈したからです。

モネの作品は1860年代から1890年代までに描かれたものが多く展示されています。静物や風景を主題にしながら、次第に自然の光を色で表現する「光の画家」へと進んでいく様子を見ることができます。

庭の女たち(1867年)

225x205cmの大きな作品。モネは庭に穴を掘らせ、滑車をつかって大きなキャンバスを下ろして制作しました。当時、野外でこんな大きな作品を描く画家はとても珍しかったそうです。野外で描くことで自然の色彩を意識し始めたのでしょう。この作品はサロンで落選したので商店街のショーウィンドーに飾られていたとか。

 

アルジャントゥイユのボートレース(1872年)

オランダ旅行から帰ったモネは、パリ郊外にあるアルジャントゥイユに6年間住みました。夏になるとルノワールがやってきて、一緒に野外スケッチをしたそうです。

近くで作品を見ると、水面に白い絵の具が横に引いてあるだけなのですが、離れて見ると水面に見事に船の帆が映って輝いているように見えました。私は、彼の水辺を描く作品が大好きです。ちなみに、この年は名作「印象・日の出」も制作されています。

日傘の女(左向き)(1886年)

モデルは妻のカミーユ。モネが熱中したのは、モデルではなく、いかに風や光を色で表現するかであったように見えました。筆の長いタッチで風の動きが感じられます。

 

ルーアン大聖堂 朝日の中の正門、ブルーのハーモニー(1893年)

1892年から1894年にかけて、モネはノルマンディー地方のルーアン大聖堂を33枚制作しました。季節によって、天候や時間によって刻々と変わる大聖堂の様子が表現されています。大聖堂の門にあたる朝日を淡いブルーで表し、さむざむとした様子がうかがえます。季節は冬でしょうか。

 

ロンドンの国会議事堂 霧を貫く陽光(1904年)

モネの晩年の作品。被写体の輪郭よりも、それを包みこむ光と空気感を色彩で表現、まさに「光の画家」と言われるゆえんでしょう。

 

マルモッタン・モネ美術館で見るモネの作品

モネの次男、ミシェルは、父クロードが亡くなるまで保管していた作品とジベルニーの家をこの美術館に寄贈しました。おかげで世界最大級120点余りを所蔵、地下一階はモネ専用の展示室になっています。広々としたスペースに、小品から大きな作品まで壁いっぱいに飾られています。

by upload.wikimedia.org 印象 日の出(1872年)

色と色の隙間や形のはっきりしない筆づかいで冷笑され、長い時間評価されなかった作品ですが、モネの代表作です。彼は水辺の風景画を描くときに、水平線を画面の上部に引きます。

朝日のやわらかい光とそれが反射する水面の様子がよくわかり、船の周りに広がる波紋の動きまで見てとることができるでしょう。一筆描きのように描いた太陽の橙色は、さし色となり美しい。

 

by commons.wikimedia.orgオランダのチューリップ畑(1886年)

モネがオランダ旅行をしたときの作品。筆のタッチを長くすることで、花々や運河の水面が風で揺れているように描いています。

 

by commons.wikimedia.org ルーアン大聖堂(夕暮れ)1892年

オルセー美術館に展示されているルーアン大聖堂を描いた作品と、異なる時間を描いた1枚。影の濃い青、夕暮れのオレンジ色と青空、と少ない色数で計算尽くされた作品だと思います。

 

by commons.wikimedia.org 睡蓮(1915年)

同じ池の睡蓮でも、季節、天候や時間によっていろいろな表情で描かれています。睡蓮に黄色を置いただけで池全体が明るくなる、モネらしい色彩のマジック!

 

by commons.wikimedia.org 睡蓮(1914-1917年)

晩年、画家は白内障を患うと、しだいに睡蓮の輪郭はあいまいになります。近くで見ると、睡蓮を白で厚塗りし光を反射している様子を表しています。色は混ぜずに単色を多用しているのもモネの特徴のようです。

 

オランジュリー美術館で見るモネの作品

オランジュリー美術館は、モネの睡蓮の連作を展示するために造られました。部屋の中央のベンチに座ってみましょう。360度睡蓮に囲まれ、幻想的な世界を味わうことができます。

しばらく動けずに睡蓮を見つめている人たちでベンチがいっぱいのときもあるほどです。不思議にリラックスできるからでしょうか。

 

【二本の柳】

壁いっぱいに描かれた池をよく見ると、池の水辺に反射する太陽の光、空の色や雲が陰る様子を巧みな色使いで表現してますね。

 

作品を近くて見ると、マルモアッタン・モネ美術館でみた睡蓮でしょうか。あちこちで描かれていますね。

 

【雲】

風のない穏やかな日に水面に映った雲と睡蓮。離れて見ると、薄ピンク色の雲が、まるで花のかたまりのよう。

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モネを堪能する3つの美術館のまわり方

3つの美術館をどのように回るか考えてみました。参考までに地図をごらんください。

A)オルセー美術館→マルモッタン・モネ美術館→オランジュリー美術館

モネの若いころから晩年までの作品を年代順に見ることができ、のちに「印象派の巨匠」と呼ばれるわけがわかります。

たとえば、オルセー美術館で同年代の画家、ルノワール、ドガやマチスの作品と比較してみましょう。彼らは印象派の画家と言われますが、だんだん独自の画風を作り上げる一方で、モネは一貫して風景や静物をモチーフに自然の光、風や水を色彩で表現しています。

マルモッタン・モネ美術館のモネ専用展示室で、「印象・日の出」や数々の睡蓮を鑑賞したあとに、オランジュリー美術館で睡蓮の連作を見るとなぜか不思議と親しみを感じ、モネが晩年、なぜこの連作にこだわって制作したのかわかるように思います。

B)オルセー美術館→オランジュリー美術館→マルモッタン・モネ美術館

これは私が実際に回った順番ですが、あとになってA)がよかったと思いました。

オルセー美術館からオランジュリー美術館までは歩いて10分ほどの距離なので時間節約にはなります。

オルセー美術館で印象派の作品を鑑賞後、オランジュリー美術館で壁一面に広がる睡蓮の連作に出会います。その後マルモッタン・モネ美術館で連作の一部になっているさまざまな睡蓮を見るのですが、そのとき初めてモネが連作で描きたかった作品の全体像がわかります。

つまり全体像をみてから、その中のひとつひとつのピースを確認するようなイメージです。

 

3つの美術館の基本情報

それぞれの美術館の基本情報をまとめておきましょう。

オルセー美術館

  • 住所:1 Rue de la Legion d’Honneur, 75007
  • 入場料:12ユーロ(18歳未満無料)/オランジュリー美術館との共通パス(3ヶ月有効)16ユーロ
  • 開館時間:午前9時から午後6時まで(毎木曜日9時45分まで)
  • 休館日:月曜日、5月1日、12月25日
  • オーディオガイド:5ユーロ(日本語あり)
  • 毎週第1日曜日無料
  • ミュージアムパス利用可能

オランジュリー美術館

  • 住所:Jardin des Tuileries, Place de la Concorde, 75001
  • 入場料: 9ユーロ(18歳未満無料)/オルセー美術館との共通パス(3ヶ月有効)16ユーロ
  • 開館時間:午前9時から午後6時まで
  • 休館日:火曜日、5月1日、12月25日
  • オーディオガイド: 3ユーロ(日本語あり)
  • 毎週第1日曜日無料
  • ミュージアムパス利用可能

マルモッタン・モネ美術館

  • 住所:2 rue Louis-Boilly, 75016
  • 入場料:11ユーロ (18歳未満 7.5ユーロ)
  • 開館時間:午前10時から午後6時まで
  • 休館日:月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
  • オーディオガイド:3ユーロ (英語&フランス語のみ)
  • ミュージアムパス利用不可 

◎ユーロから円にすると今日はいくらか簡単にわかる計算機→便利な外国為替レート計算機

 

まとめ

一人の画家を3つの美術館で比較しながら作品を鑑賞するのは面白い、と思ってご紹介しました。3ヶ所まわると、モネの画家としての歩みがよくわかり、あらためて彼の業績のすばらしさを感じずにはいられませんでした。

クロード・モネの作品は、世界中の美術館で所蔵されていますが、パリにいらしたら是非、彼の作品を追いかけて3つの美術館を回ってみたらいかがでしょう。

 

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