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こんにちは、マダムソムリエです。

ドラクロワは、晩年の12年間をサン・シュルピス教会(Eglise Saint-Sulpice)で、助手と2人で壁画の連作に没頭します。先日訪れたドラクロワ美術館でそのスケッチを見て面白そうだったので、その教会へ歩いて行ってみました。歩いて10分くらいの距離です。

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ドラクロワ美術館に行ってきました!充実した作品と建物内部をご紹介

ゴシック様式のこの教会の礼拝堂に描かれた作品は、大きさはもちろん、構図や色彩に圧倒されました!さっそくどんな作品なのかご紹介しましょう。

 

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壁画の傑作3作品

サン・シュルピス教会に入ってすぐ右側の礼拝堂に、3つの作品がありました。

部屋の左右に741x485cmの壁画が2枚、天井画が1枚描かれ、これら3枚をドラクロワは「老芸術家の遺言」と呼んでいたそうです。礼拝堂に入る前から、ちょっと緊張します。

 

ヤコブと天使の闘い

旧約聖書 創世記36章24-32に記される「ヤコブと天使の戦い」を主題とした作品。主題を簡単に説明するとこうなります。

ヤコブは、旧約聖書ではイスラエル民族の始祖となる人物

兄エサウの家へ向かう途中に、ヤコブの前に一人の男(天使)が現れ、しつこく論争をけしかけます。しだいに喧嘩から格闘になりますが、結局ヤコブが勝ち、天使からイスラエルと名乗ることを許されたという逸話です。

画家は、この逸話を「選ばれた者が神から与えられる試練」と解釈、ヤコブと天使の格闘の様子を描きました。

天使とヤコブの筋肉隆々の表現は、ミケランジェロの影響があるのではないかと言われています。鮮やかな色彩表現は、当時すでに健康状態の悪かったドラクロワの強い創作意欲を感じます。作品の前に立つと、たしかにそのエネルギーを感じるから不思議。

 

悪魔を撃つ大天使ミカエル

この作品は、ヨハネの黙示録から大天使ミカエルが悪魔たちとの戦いに勝利したエピソードを主題にしています。

天井を見上げると、大天使ミカエルが長い槍のようなものを持っています。勇ましい!それもそのはず、大天使ミハイルは邪悪な力と戦う最高位の天使なのです。

太陽の光を背に受けて、長い槍をもつミカエルが神々しく見えますね。倒れた悪魔のマントの鮮やかな赤が作品のアクセントになっているようです。

 

神殿を追われるヘリオドロス

3枚目は「ヤコブと天使の闘い」の正面にある作品です。

エルサレム神殿から財宝を奪おうとしたシリアの宰相ヘリオドロスが、突如現れた騎士によって転倒させられ、二人の天使に鞭打たれるというもの。つまり天使からお仕置きされている様子が描かれているのですね。

躍動感を感じます。現代のアニメーションにもなりそうな、構図と色使いがすばらしい。若いなあ。ほんとに晩年の作品なのかと、信じられない気持ちです。

この3つの作品をまとめると、「ヤコブと天使の闘い」は、選ばれた者が神から与えられる試練を、「神殿を追われるヘリオドロス」は天からの助けを、そしてそれを天井から大天使ミカエルが見つめる、という形になっていると思いました。

 

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サン・シュルピス教会の基本情報

サン・シュルピス教会は、ノートルダム大聖堂に続いて2番目に大きく、美しい外観やドラクロワの作品以外にも見どころが多くおすすめの教会です。

サン・シュルピス教会(Eglise Saint-Sulpice)

2 Rue Palatine, 75006 Paris
  • 住所:2 Rue Palatine, 75006 Paris
  • 開館時間:午前7:30~午後7:30
  • 休館日:無休
  • 入場料:無料

 

まとめ

ドラクロワ美術館で見かけたスケッチのおかげで、サン・シュルピス教会ですばらしい壁画と天井画を見ることができました。

ドラクロワ自身が「老芸術家の遺言」と称した3つの傑作をご紹介しました。

  • ヤコブと天使の闘い
  • 悪魔を撃つ大天使ガブリエル
  • 神殿を追われるヘリオドロス 

いずれも、画家が晩年の12年間を費やしたすばらしい作品で、彼の並々ならぬ創作エネルギーに感動しました。

ドラクロワ美術館とあわせてサン・シュルピス教会も見学されることをおすすめします。ドラクロワ美術館からは歩いて10分ほどです。

この教会のエリアは、セレクトショップやレストランがならび散歩も楽しいところです。チョコレートの名店「ピエール・エルメ(Pierre Hermé)」の前には、お客さんが長い列を作っています。 ドラクロワ美術館の帰りに足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。

次回は、サン・サルピス教会の外観や教会内部の様子をご紹介したいと思います。

 

 

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